名古屋城西南隅櫓は、明治24年の濃尾大地震で石垣とともに崩壊。それから32
年後、当時管理していた宮内省が大正12年に修復し復元とされています。
ところが、平成大修理を契機に文献を再チェックしたところ、大正10年5月ま
では陸軍省や宮内省の資料に西南隅櫓が存在していることが判明。大正10年8
月に宮内省が崩壊により修理の手続きをしているので、崩壊したのは大正10年
5月〜8月というのが真相。なぜ、崩壊したのか原因は不明ですが同年6月に
名古屋を襲った暴風雨が考えられるということです。
名古屋城を管理する名古屋城総合事務所では、今後ホームページやパンフレッ
ト等の記載を順次修正いくとしています。それにしても、崩壊して32年間その
まま放置されていたと考えるほうが不思議。西南隅櫓に限らず、名古屋を代表
する歴史的文化遺産「名古屋城」には徹底的な検証が求められます。
傷みが激しく名古屋城で3棟ある隅櫓の中で1年中公開されることのない西南
隅櫓は、平成22年度から26年度まで4年かけて修復されることになってい
ます。2011年2月から解体(半解体)が始まっていて、鹿が散策している堀の一
部が工事に使用され、鹿はしばらく肩身が狭い思いをすることになります。
隅櫓は立つ位置から東西南北読み4箇所にありましたが、東北隅櫓は戦災で消
失、現在はこの西南と西北、東南の3棟です。隅櫓は、文字どおり隅っこにあ
って、天守閣のミニチュア版といった感じですが、攻めて来る敵の動きを、こ
こで監視したり防戦したりと役割は重大だったのです。
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観覧料:大人1人1日500円(高齢者・団体等割引制度、年間定期観覧券あり)
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